なぜマッキンゼーから起業家が生まれるのか?


最近こんな本を読んだんだが、個人的には内容が面白すぎて1日で一気に読み終えた。
26歳でマッキンゼー最年少マネージャーに就任した田中祐輔氏が同社で働くコンサルタント達がどの様なマインドを持って働いているのか。また、どの様な姿勢でプロジェクトに取りかかっているのか等について中々厳しい口調と鋭い視点で語っている。


マッキンゼーについての本は「フレームワーク」や「イシューからはじめる」等、いまやコンサルティングの代名詞ともなっている部分を説明する内容が多いが、本書ではその部分は最低限カバーしているだけの様に思える。
それよりも例えば、「何時間働いたか」、「どの様な作業を成し遂げた」という事よりも「お客様にバリュー(価値あるもの)を提供する事が出来たか?」という事を常に意識する事。
また業務を行っている際には「自分が今やっていることが、どんなインパクトにつながるか?」と考える癖が染み付いている人ばかりであるという事などマッキンゼー流の志向についての説明が多いと感じたし、少なくとも自分はその部分に衝撃を覚えた。

さて、そんな面白い本を読み終えたばかりの本日、Twitterのフィードを眺めているとこんなTweetが目についた:

これを見たのは会社へ向かって歩いている途中だったのだが、出社してからすぐにPCを開き迷わず、申し込んだ。参加費は5千円でしたが、結果として得たものは大きかったです。

という事で今日は『なぜマッキンゼーから起業家が生まれるのか?』というタイトルのセミナーに参加してみて、特に印象に残った事を少し書きたいと思います。

まず今回のセミナー概要について簡単に説明しておくと『東洋経済インタラクティブセミナーシリーズ』の第11回目テーマとして最近やたらと話題になっているマッキンゼー出身の起業家がピックアップされた事で下記2名が講師として選ばれた。
© http://www.academyhills.com/
2人共強い意志を持ち、それぞれが成し遂げたい事を頭に入れながら社会にインパクトを与える様な活動を行われている立派な起業家さん達です。
やはり自分の好きな事に全力で取り組んでいる人はイキイキとしていて眩しいね。

さて、田中氏のTweetにも書いてある通り、本セミナーで彼は結構「インパクト」について語ってくれた。「インパクト」って直訳すると「衝撃」という意味なのですが、要は自分が何かをする事により社会に、世の中に、そして世界中に衝撃を与える事が出来るかどうかを常に意識する事が素敵な生き方であるという事について語ってくれたのです。これは誰にでも当てはまる事では無いという人もいるかもしれませんが、少なくともマッキンゼーの社員達は全員こういった志向を持っているのだろうと感じた。

例えば日本の企業ではよく以下の様な事が意識される:
  • ルール重視
  • プロセス主義
  • リスク回避

だが、マッキンゼーで働く様なインパクト「志向」の人々はこういった事を意識する:
  • 何かを「良くする」
  • 何かを「変える」
  • 何かを「創る」

無難な生活を過ごしたいと考える人であれば典型的な日本企業の志向の方が合うだろうが、世の中にインパクトを与えたいという目標がある人にとってはマッキンゼー流の方が遥かに適しているのは言うまでもないだろう。

マッキンゼー流の考え方については小沼氏も興味深い事を言っていた。
マッキンゼーで働く人々は「課題は解決するためにある」というスタンスであり、課題があるほどワクワクするというメンタリティらしい。だから小沼氏自身も立ち上げたばかりのNPO法人を経営する際にあらゆる課題に遭遇しているが、ワクワクしながら解決に挑んでいるとの事。

また、小沼氏はマッキンゼーで学んだ事として、「ビジネス業界のトッププレーヤー達の姿」や「何かに徹底的にこだわっている人の強さ」があると語った。
若い内からビジネスの第一線で活躍する様な人々を身近で見る事が出来ただけで多くを学べたとの事。そしてブレの無い強い意志を備え持った人が本当の強さを見せるという話も凄く面白かった。


さて、田中氏のプレゼンの中で自分の人生において大きな影響を与えてくれそうな部分があった。それは人生において大半の時間を使う「働く」という事について考える時は出来るだけ早い段階で下記ポイントを自分の中で決めておいた方が良いというメッセージだ:
  • 【WHY】どんなインパクトを与えていくか?
  • 【WHAT】どんな職業に就きたいか?
  • 【HOW】どうやって働きたいか?

ちなみに田中氏は宇宙兄弟という漫画に登場するキャラクターを例に挙げながらこの部分を説明してくれて、漫画を読み込んでいる自分にとっては非常に分かりやすかった。
「WHY」、「WHAT」、「HOW」とだけ聞くと当たり前の事じゃないかと思うかもしれないが、自分の人生についてこれらのポイントをしっかり決めている大人は非常に少ないと思うし、当然自分も自信を持って人に発表できるようなものはまとまっていない。これは今後自分の課題として取り組んでいきたいと強く思った。

なぜマッキンゼーから起業家が生まれるのか?
「生きる意味」を人生の早い段階からしっかりと考え抜く事が大事だと認識している人が多いという事もポイントだが、やはり「世の中にインパクトを与えたい」という考え方を持つ人が多い事がマッキンゼー出身の起業家が多い理由だろう。
世の中にインパクトを与えるのであれば「このビジネスは上手くいかないだろう」というものを大成功させるという事や、今まで誰も思いつかなかった事を成し遂げる必要があると思う。そういう誰もがやった事の無い事を実行するためには起業し、自らがリーダーとなって自分の信じる道を進むのが最も効率的なのだろう。
なのでマッキンゼーを卒業したから起業家になるという訳でなく、世の中にインパクトを与えるために効率的だと思われる方法の一つが企業をするという事なのだろう。
これはきっと新しい事をやる事が苦手な日本だからこそ出た結果なのかもしれないですな。


さて、各講師のプレゼンが終わった後に参加者からの質問に講師が答えるQ&Aコーナーがあったのだが、その中で「成長するためにはどの様な職場環境が望ましいか?」という質問があった。
それに対して田中氏はこの様な答えを述べた:
「この人スゲー!」って心から思える様な尊敬できる人がいると良い
やっぱ社会ってヒトで成り立っている事もあって、ヒトがヒトを成長させるんでしょうね。何かこの答えは心に残った。

最後に、自分の中で今日一番心に響いた言葉を紹介したい。
それは田中氏がプレゼンの最後に言った下記フレーズだ:
「自分が本当にやりたい事が見つかって、それを目指しているのであれば給料が下がろうが忙しかろうがもう楽しくてしょうがない」
そう言った田中さんの表情は確かに楽しそうに見えたし、何より本当に輝いて見えた。

自分が本当にやりたい事って何だろう。
ちょっと自分と向き合ってちゃんとこういった人生において大事な決断をしっかりと下すべきだと強く強く感じた。もう来月で28歳だしね。

田中氏の書籍を読み、今回のセミナーに参加し、マッキンゼーを卒業した2人の起業家から貴重な話を聞けた事により、自分の人生に対する考え方に変化が生まれた。

どのように変化したのかは上手く言葉でまとめる事はできないけど、前向きに変化した事は間違いないので、とりあえず今日芽生えたこの気持ちを忘れない様にしたい。


死ぬ前にやりたかった事 ~EMINEMのライブへ行く~

© http://iflyer.tv

死ぬ前にやっておきたい事。
サッカーのワールドカップとUEFA チャンピオンズリーグの決勝戦の観戦、スカイダイビング、犬とリゾートへ長期休暇するなど色々あるのだが、そのリストに「EMINEM のライブへ行く」というのがあった。

2012年8月17日(金)にこの項目はリストから消えた。
という事で遂にEMINEMのライブへ行ってきました。

場所は『QVCマリンフィールド』でサマソニを翌日に控えた野外会場でのライブだったのですが、8月中旬だし、エミネムのコアファンが集まる最も高価なチケットが必要なブロックにいた事もあり、もう熱気ムンムンでした。

今回のオープニングアクトは『Slaughter House』が務めた。
ちなみに自分は彼らをそんなに知らず、唯一『My Life』という曲だけ聞いた事ありましたが、さすがShady Records所属でEMINEM一押しのアーティストだけあって非常に迫力のあるパフォーマンスだ。

さて、オープニングアクトが終わって30分ぐらい待つと全てのライトが落とされ、会場全体が暗闇に。そしてステージ上の大型スクリーンには日本語でメッセージが表れた。細かい部分は覚えていないが、「エミネムの再生(Recovery)」と大きく映しだされた時は鳥肌が立った。

そして『Won't Back Down』の曲に合わせてEMINEMがついに登場。
もう観客は暴れだし、人が波の様に揺れだし、ちゃんと立つ事も難しい状況だったが、目の前に本物のEMINEMがいるだけでもうそんな事はどうでもよくなった。


しかし39歳だと思えない力強さとド迫力のパフォーマンスだった。
『Cleanin' Out My Closet』など自分が高校時代に何度も聞いていた懐かしい曲が聞けて涙が出そうになった(出なかったけど)。

しかも『The Way I Am』、『Kill You』、『The Way I Am』など「Recovery」アルバムだけでなく、昔のヒット曲も満載なライブでもう大満足でした。


この公演はスペシャルゲスト有という事だったので、てっきりサマソニのために来日している「Rihanna」と『Love The Way You Lie』を歌うのかなと思っていたが、彼女は登場しなかった。

するとその次に『I Need A Doctor』が始まった。
この曲を聞いたらもう今年行われた「Coachella」でのEMINEM & Dr. Dreのタッグが記憶に蘇ったが、Dr. Dreが登場しないまま終わってしまった。

すると次は何と『My Name Is』がスタート。しかも大型スクリーンにはプロモーションビデオが流れているのでもう懐かしいのなんのでゲストの事なんて忘れてしまってた所、以下のリリックに入る:
But I can't figure out which Spice Girl I want to impregnate. And Dr. Dre said…
すると音楽が止まり、Dr. Dreが登場し、『The Next Episode』に入るという何とも憎い演出。ゲストはDr. Dreではないと思いこまされましたが、このタッグが見れるなんて夢のようでした。
ちなみにこの次に『Forgot About Dre』へ突入したが、この曲は自分が初めてEMINEMを聞いて「なんじゃこいつは!?」と思い、EMINEMファンになったキッカケとなった曲なのです。



最後はEMINEMの感動的なメッセージから『Not Afraid』が始まり、幕が閉じる。
恐らく観客のほとんどが「もう何が起きても怖くないぜ」と思うぐらいなテンションの中、アンコールの『Lose Yourself』が流れる。もうこの曲を聞かなきゃEMINEMのライブは終われないですな。
最後はゴールデンサークル(ステージから最も近いブロック)内の本当に全員がこの曲をEMINEMと共に大合唱するというフィナーレとなった。

いや~、もう本当に感動的でした。
EMINEMはイメージしていた通りのSickなパフォーマンスを披露してくれました。
もう何も言う事なしのクオリティーでした。

次回はいつ日本に来るか分かりませんが、いつかアメリカのビッグステージでも彼のパフォーマンスを見てみたいものですな。


今回のセットリスト

  1. Won't Back Down
  2. 3am
  3. Square Dance
  4. W.T.P
  5. Kill You
  6. No Love
  7. So Bad
  8. Cleanin' Out My Closet
  9. The Way I Am
  10. Fast Lane (ft. Royce da 5'9")
  11. Lighters (ft. Royce da 5'9")
  12. Airplanes Part II
  13. Stan
  14. Sing For The Moment
  15. Like Toy Soldiers
  16. Forever
  17. Space Bound
  18. 'Till I Collapse
  19. Cinderella Man
  20. Love The Way You Lie
  21. I Need A Doctor
  22. My Name Is / The Next Episode / Forgot About Dre
  23. Not Afraid

    Encore:
  24. Lose Yourself