1日の成約件数は6万件!?世界中で話題の宿泊コミュニティ「Airbnb」の概要まとめ

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©https://www.airbnb.jp/

世界中の宿泊先を掲載・発見・予約できるコミュニティサイト「Airbnb」(エアビーアンドビー)に最近ハマってます。

先日「TechCrunch Tokyo 2013」の会場にて日本のCountry Managerにもお会いする事ができましたが、日本専用のスタッフを雇い出すなど徐々に日本進出を進めているようです。

9月からは@Airbnb_jpで日本のツイッターアカウントも開始しています。

アメリカの都市部ではもはやホテルよりAirbnb経由の宿泊の方が多いのではないかと言うぐらい爆発的な人気を誇るサービスですが、まだ日本ではあまり知られていないようなので概要をまとめます。

個人宅などの空き部屋を検索し、レビューを確認してから即予約


もう見ての通りですが、あなたが格安の宿泊先を探しているのであれば、エクスペディアとかHotel.comを開く前にAirbnbでまず行き先を検索してみてください。
ホテルより便利な位置にある格安の空き部屋がきっと見つかるでしょう。

例えば日付を指定してロンドンで検索するだけで、その日に泊まる事のできる部屋が表示されます。
とにかく掲載されている部屋が非常に多いですし、地元の人の部屋を見ているだけで旅行をした気分にもなれるのでそれだけでも楽しめますよ。
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物件紹介ページには借りる事ができる部屋やベッドの写真など必要な情報は全て記載されています。

©https://www.airbnb.jp/

もちろん利用した事があるゲストの口コミも確認できるので、安心できるホストが見つかったらすぐに予約する事ができます。

最高額1億円!?ホストもゲストも安心できる素敵な仕組み

©https://www.airbnb.jp/

部屋を掲載するホストがいなければサービスは成り立たない。
自分の部屋を掲載し、他人に貸し出すとなると当然いろんな不安があるでしょう。
そんな不安を一掃してくれる驚きの仕組みが「全ホスト保証制度」。

部屋を掲載するホストにはホスト保証が無料でつきます。
しかも保険業界屈指の定評を誇る「ロイズ・オブ・ロンドン」と提携しており、最高保証額は日本円で何と約8,000万円!
これが全予約毎回適用なんだがらもうスゴイとしか言いようがないですな。

また、支払いは全てサイト上で完結するので、ホストとゲストが対面した際のお金のやりとりは一切ありません。

更にホストの認証が徹底されており、E-mail、Facebook、LinkedInアカウントとの連携以外にも電話番号、オフラインID(運転免許証やパスポートなどの公式な身分証明証)との連携が可能となっており、極めつけにはプロフィール編集ページ上で自分の動画まで撮れてしまいます。
とにかくあらゆる手段で認証をより安心できる形で提供しています。


多くの方法で認証すればするほど、ゲストから見た信頼感が上がるのでやる気のあるホストは当然徹底的に自らの身分を証明するでしょうし、そういうホストにしかゲストは興味を示さないと思われるので自然と信頼できるホストだらけになるという仕組みでしょう。

とにかく「他人を自分の部屋に泊める」ことに対する不安を安らげる工夫があらゆる箇所に散りばめられているサービスです。

今やスタートアップの代表的な成功例

昨年のデータではあるが2008年に創業したAirbnbは4年間で非上場ながら評価額は既に10億ドル(約969億円)を超えている。

©http://www.slideshare.net/TravelNEXT/airbnb-travelnext-congres-2012

現在、世界10ヵ所の拠点を持ち、550人の社員を抱えているが日本にはまだオフィスはなく、アジアの拠点はシンガポールにあるとの事。

世界192ヵ国、3万都市に26万件の登録物件を持ち、2012年6月には通算で延べ1000万泊を達成したらしいです。

ちなみに1日の最高成約数は何と6万件!
アメリカでの平均成約金額は1泊70$(約7,000円)で平均成約泊数は3日間なのでこりゃ相当儲けてますな。。

長くなってしまいましたが、これだけ書けばAirbnbの凄さをお分かりいただけたのではないだろうか。

最後に

「ホテル業界を敵に回してる」とか「個人の部屋を貸し出しても問題ないのか?」とかネガティブな意見から入る人もいるかと思うが、既存の業界価格を破壊し、新たな経済を作ってしまう様なウェブサービスに法律が追いついている訳がない。

少なくともたった数年でこれだけの利用者が出てくるほどの需要があるという事は既に証明しているし、何よりも地元の人と旅人を結びつけて国際的な交流を新たに生んでいる事が素晴らしい。

これぞ最初から世界を視野に入れたグローバルサービス。
日本でも利用者が増えて、より多くの日本人に国際交流の機会を持ってほしいと思う。

年末年始に海外旅行に行く予定のある方は機会があればぜひ使ってみてください。
きっと世界が広がりますよ。

"TechCrunch Tokyo"のトリをつとめた「Strikingly」のCEOがで伝えたかった3つのこと

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中国人として初めてYCombinatorを卒業したDavid Chen氏の講演を本日参加した『TechCrunch Tokyo 2013』で聞く事が出来たのだが、何だか胸が熱くなったので書き留めておく。


YCombinator」を卒業する事が何を意味するかや「Strikingly」がどういうサービスなのか等については以下の記事を参考にしてほしい:
Y Combinator卒の中国人、Strikingly創業者も来日講演! (TechCrunch Japan)

今回のイベントでDavid Chen氏は最終プレゼンターとして登壇したが、「みんなも疲れてるだろうし、自分もクタクタなので資料とかはそんなに使わずに話させてもらいます」と言い放った後に、自分達がStrikinglyを立ち上げるまでにどのような経験を乗り越えてきたかをまるで物語を語るように話し始めた。

その中で3つの事を伝えたかったらしいので、その3つを紹介しよう。



1. やり続ける事(Don't quit)


Strikinglyを初めてYCombinatorへ持ちかけた時は実は受け入れ試験で落ちている。
準備万端で臨んだプレゼンは成功し、合格を確信していた彼らはすぐに寿司バーへ直行して勝利の宴を開催していたとの事。しかし食事中に不合格の連絡が来てからメンバー3名はまだ手が付けられていない寿司を眺めながら20分ほど黙り込んだらしい。

Chen氏が言うには成功間近だと思っていた時に大きな挫折を味わうスタートアップチームはモチベーションが砕けてしまい、サービスの勢いも衰えてしまうとの事。
しかし寿司バーで彼らは不合格通知を受けたサービスを更に磨き上げ、YCombinatorが間違っていた事を思い知らせるために今まで以上に結束し、最終的にはサービスが認められる。

ここでの教訓は諦めずにチームとして信念を貫く事が大切だと言う事ですね。

ちなみにこれだけだとありきたりなアドバイスだと思うが、Chen氏は立ち上げメンバー全員が同じメンタリティーを持つことが大切だと強調していた。

懇親会の時に彼と立ち話をしたのだが、実績も何も無いサービスに対して、何があっても折れる事のない強い気持ちを持つパートナーを探すのがおそらく最も難しく、最も大切な事だと語ってくれた。「メンタリティー」という単語を連呼してたけど、どうやらこれがお気に入りらしい。


2. まずはプロダクトの半分だけ作る(Build half a product)


多くのスタートアップはサービスを完璧に仕上げてから市場に出す事を目指すが、Chen氏に言わせればそれだと遅すぎるし、市場に出す前から完璧になる事は無い。

例えば彼は以前に無料機能しかなかった当時のStrikinglyサイト内に「プレミアム機能が利用できる有料商品へのアップグレードボタン」を設置したらしい。
プレミアム機能など用意していないのにだ。。
このボタンを選択したユーザーには「ただいま支払いシステムがメンテナンス中です。また後日お試しください」と表示されたようだ。
支払いシステムなど本当は存在しないのにだ。。

彼らは「プレミアム機能に申し込みたいが、支払いシステムはいつになったら準備できるのだ?」という問い合わせが来て、はじめてプレミアム機能と支払いシステムを作り出したとの事。

これだけ聞くと「何だか効率が悪いなぁ。事前にプランしておけばいいじゃん」とか思う人もいるだろうが、Chen氏のやり方は「まず試してみてユーザーの反応を見る」という形だ。彼の場合は本当に何も考えずにただただ試してしまうのだ。

とにかく彼らは計画や改善ばかりに時間をかけ、ユーザーへのサービス提供を遅らせる事を非常に嫌うようだ。

これは極端な例かもしれないが、例えば日本人が「外国人と英語が喋りたい」と思ったらきっと参考書を買ったり、TOEICなどを受けてある程度のスコアが出たら実践に挑むのだろうが、Chen氏だったらすぐにタクシーに乗り、外人がいるパブにでも言って積極的に話しかけるのだろう。

こう考えるとChen氏の考え方が功を奏する場合も大いにあるように思える。


3. スーパーファンを作る(Create super fans)


「カスタマーではなくスーパーファンを作る必要がある」と彼は何度も強調していた。
これは特に統計的な効果をChen氏が説明した訳ではないのだが、とにかく自分のサービスを大好きだと言ってくれるスーパーファンが不可欠だと彼は考えている。

スーパーファンはサービスを口コミで拡散してくれるし、困っている他ユーザーを助けてくれる時まである。Chen氏が来日する時はいつもユーザーの家に無料で泊まっているらしいが、これもスーパーファンが是非おもてなしをしたいと言ってきたとの事。

スーパーファンはマーケティング活動も代わりに行ってくれるし、クレーマーのケアまでしてくれる事だってある。そういうファンに支えてもらえるのが幸せなサービスだと言わんばかりに説明していた。

【後列の左から】僕、TechCrunch日本版編集長の西村さん、Strikingly CEO David Chen、
Readdle Marketing DirectorのDenys Zhadanov、AOLオンライン・ジャパン株式会社 代表取締役の奥江さん【前列の左から】Locaruu CEOのYuna Kimさんと最後にヤマハの小林さん



まとめ


Chen氏は数値、データ、お金などの一般的な経営者や投資家が重要視する項目についてはそんなに興味を持っていなく、とにかくユーザーを満足させ、ユーザーに好かれる事を目指しているようだ。

確かにカスタマーが増えればお金も増えるので経営者としては嬉しいが、おそらくChen氏のモチベーションはお金では動かないのだろう。

サービスを喜んで利用してくれるユーザー、サービスの素晴らしさを口コミで拡散してくれるユーザーなど、そういったユーザーのリアルな反応をモチベーションに変えてサービスを進化させている様に感じた。

ゴールドマン・サックスを辞めてまでスタートアップを立ち上げた彼らしい素敵な考え方ですな。

例えサービスが儲かっても、自分が楽しめてなければ意味がない。
お金を儲ける事が目的ならゴールドマン・サックスに残ればいいだけだ。

好きな事をやり続ける事がきっと彼の幸せなのだ。
好きな事だけをやり続ける事によってサービスが潰れてしまう事もあるかもしれないが、そうなればまたやり直せばいい。彼のスキルがあればお金に困る事はないので、例え失敗してもきっと何度でもチャレンジし続けるだろう。

だから彼はチャレンジを続けるために不可欠なモチベーションの上げ方を重要視し、自分にとって何がモチベーションアップにつながるかを把握した上で、そこに力を入れているのではないかな。

裕福に、そして自由に育った若いスタートアップ経営者の1つのパターンが見えた気がした。
彼のようなタイプはあまり日本からは生まれないと思う。
そういう意味でも有意義な出会いでした。